医療とAIの融合で、高いインパクトを。

医療分野も、AI分野も高度に専門的です。その中で世界クラスの研究をするためには、医療とAI分野のいずれの専門家がいるだけでは不十分で、それぞれが互いに掛け合わされる必要があります。その中で生まれるアイデアの価値は、医療の専門家のAI分野の理解力、AI分野のエンジニアの医療分野の理解力に依存します。当研究室では医療者、AI専門家が互いの専門分野を深く理解することによって、医療者側の日常臨床などで生まれるクリニカルクエスチョンとAIの最先端技術が高いレベルで結びつき、世界的に評価される研究に繋がります。研究室のメンバーは普段から仲がよく、ふとした会話から研究につながる例が多くあります。

医療に新たな価値を与えるアイデア

AIは非常に有力なツールでそれ自身の価値もあるものの、課題を高精度で解決することによってより価値が生まれます。医療分野でもその例に漏れず、医療分野での課題解決ができるとき、高い価値が生まれます。当研究室ではこの医療分野の解決すべき課題をたくさんもっていることに強みがあります。当研究室の医療者は専門医が多く、日常医療での疑問や不便なこと、よりよくできそうなことを普段から探すように心がけており、定期的にそれらを収集します。その中で、AI技術で可能そうな研究をエンジニアを交えて考えます。そうすることで、研究材料にストックがうまれ、その中から価値の高いものを論文化していくことができます。研究室には様々なAI top journalのpeer reviewerや、AI論文の作製のガイドラインなどに関わるメンバーもおり、正しい論文作成を協力にバックアップできます。すなわち、テーマの選定、AI開発、論文作製に至るまでを研究室が一丸となることでスピード感をもって完遂できます。

AI最新技術のアップデート

AIの最新技術の大部分は論文としてArxivというオープンジャーナルに掲載されます。ただ、Arxivに掲載されるAI関連の論文は膨大で、以前は年間に1万本と言われていましたが、最近では月に1万本とも言われます。その玉石混交の論文の中で、特にその1ヶ月間に最も読まれた論文や、SNSなどでバズった論文を中心に毎月勉強会を開催し、Updateしています。その際にはその紹介された技術と医療を組み合わせてどんな価値を生むことができるかといったディスカッションも行っています。また、NIPS、ICLR、ICML、CVPR、ACL、AAAIなどといった国際学会への参加も積極的に推奨しています。

研究環境

当研究室は研究環境にも自信があります。

多施設医療ビッグデータ

大阪市立大学附属病院のみならず、関連病院の医療ビッグデータを扱うことのできる、独自のセキュアな環境を構築しています。AI作成において最も重要なことは、データの収集です。特にデータの量はあればあるほどよいのですが、なかなか一つの施設でたくさんのデータ収集は困難なことが多いです。例えば、マンモグラフィで乳癌の研究をしようと考えたとしても、大阪市立大学附属病院だけでは、使用できるマンモグラフィの患者数は1000例(計4000枚: MLO/CCの左右2set)程度です。AI研究(特にディープラーニング)では十分なデータ量とは言い難いですが、複数施設のデータを使用することで3000例(計12000枚: MLO/CCの左右2set)程度のデータを使えることになります。また研究としても、大阪市立大学附属病院のみの単施設研究ではなく、多施設共同研究になるため、研究の信頼性が高まり、よりハイレベルなジャーナルを目指せます。

ワークステーション環境

当研究室は、日本でも最も早い段階でGDX-A100を購入した施設の一つです(発表の翌日に発注しました)。モンスター級のマシンで、GPUとしてNVIDIA A100を8枚搭載し、GPUメモリはトータルで320GBになります。速度も5 petaFLOPS、10 petaOPSもあります。このマシンが最高峰ではありますが、その他にもRTXや2080Tiを搭載したマシンなどを合計すると10台程度になり、GPU不足及びGPUメモリ不足に心配はありません。また、教育用にはSony neural network console business版の契約も済ませており、医療者でコーディングできずとも、研究ができるような環境を用意しています。

実績

研究室の実績です。前身の人工研究室を含みます。

論文・講演

2018/10/23 Radiology掲載 Deep Learning for MR Angiography: Automated Detection of Cerebral Aneurysms
2018/10/27 NeuroImaging Summit 2018 (台湾) 登壇
2018/11/10 放射線科関西地方会 教育講演
2018/12/01 JJR掲載 Technical and clinical overview of deep learning in radiology.
2018/12/11 LPixel社 講演 RSNAから見えた今後の画像診断AIの未来
2019/01/30 京都大学講演 人工知能の医療画像診断への応用
2019/07/09 京都大学画像診断セミナー講演 AI時代の医師の役割
2019/07/20 日本放射線技術学会中部部会講演
2019/11/09 第29回日本乳癌検診学会学術総会講演
2020/11/26 JJR掲載 Visualizing "featureless" regions on mammograms classified as invasive ductal carcinomas by a deep learning algorithm: the promise of AI support in radiology.
2021/03/23 JCO PO掲載 Training, Validation, and Test of Deep Learning Models for Classification of Receptor Expressions in Breast Cancers From Mammograms
2021/03/30 Radiology掲載  Deep Learning–based Angiogram Generation Model for Cerebral Angiography without Misregistration Artifacts

執筆・授賞

2018/10/27 医学の歩み267巻4号 AIは画像診断を変えるか?
2019/03/14 大阪市立大学医学部長賞 優秀賞受賞
2019/7 インナービジョン執筆 
2019/7 JCRニュース 人工知能 (AI) と人間の認知の差異から読み解く未来
2019/12 RSNA The Best of Radiology
2020/5 日本医学放射線学会 最優秀論文賞
2020/8 日本IVR総会 Featured Abstract

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