医療×AI研究のマネージャーの育成

医療×AI研究のマネージャーは現時点でも非常にニーズが高く、今後その傾向はますます高まるため、人材の育成は急務です。そういった研究者が増えれば、医療×AI研究が盛んになり、医療にAIを用いて新たな可能性を与えられる機会は増加し、その結果患者さんのより良い健康に繋がります。当研究室では医療者には、実際の医療ビッグデータを扱いつつエンジニアなどと共に研究しながら、AI研究の主導を行ってもらいます。実際AI研究とはいっても、AI自体を扱う時間自体はあまり多くなく、それ以前のビッグデータ処理やその後の結果の解析に使う時間が多いです。医療×AI研究では一般的な医学研究に比較してデータ数が多いため、それらを素早く正しく処理できる能力が必要になります。

AIを知る

医療者がAI研究のマネージャーになるために、まず何よりもAIを深く知る必要があります。最も重要なのはAIの基本の部分で、なぜ特徴が抽出できるのかということを知ることが必要です。ただ、これは一般的な教科書で理解できるレベルがゴールなのではありません。実際にチュートリアルを動かすレベルでゴールでもありません。実際の多層のモデルにおいて、一層ずつがそれぞれどんな処理をしているかを深く理解することが必要です。また、一方でAIは非常に発展の早い領域ですので、知識のアップデートが必須です。そのために、当研究室では月に1度、AI最新技術アップデートのために勉強会を開催しており、そこに参加することで自然と情報を更新していける環境を用意しています。

研究のデザインをイメージする

AIを深く知った上で、医療研究をデザインします。日常医療におけるクリニカルクエスチョンや不便なこと、よりよくできそうなことなどを今のAI技術で解決できそうか、できるとしてどれくらいその研究に時間的・技術的コストがかかりそうか、研究としてどれくらいのインパクトがありそうか。そこを総合的に判断できる能力こそが、医療×AI研究のマネージャーとして必要な最大の能力と考えます。その全体像の把握のために最も重要なことは実際に医療×AI研究を一通り経験することです。しかし、そのような環境が提供されている場所はほとんどないため、当研究室ではそのような経験ができる環境を提供します。

AIの作成

実際にAIを作成する

モデル作成

課題に適したモデルを考えます。まずその課題がAI分野の中でどういったモデルを使えばよいのかを考え、そしてそれをどのように改変していくのかを決定します。例えば、乳癌をマンモグラフィから判断するモデルを作成することを考えても、分類問題として扱うのか検出問題として扱うのかでまず方針が異なります。また、分類問題として問いて可視化モデルを用いて検出問題とすることもできます。有名なシンプルなモデルは一つ入れるべきでしょう。また、もちろん最先端のモデルも試してみたいです。一方で、乳癌のマンモグラフィの見え方を考えると、FAD(非対称陰影)や微細な石灰化が重要なことも多いので、小さな病変検出が得意なモデルも入れるべきでしょう。そのように総合的に考えながら、採用するモデルを選びます。

試行錯誤

ここが最もAIらしいところかもしれません。試行錯誤といっても本当にやれることは組み合わせると無数にあります。アーキテクチャ自体を変更したり、アーキテクチャの一部を変更したり、up/downsamplingの方法を変更してみたり、バッチサイズをかえたり、損失関数をかえたりなどなどです。すべてのパターンをすべての組み合わせするには到底時間がありませんので、目的としているタスクによって、最初からデザインを決めておくことが重要です(もちろん、ある程度柔軟にも対応する必要はありますが)。また、この作業はほとんどコーディングの知識は必要では有りませんので、エンジニアとの毎度のコミュニケーションを考えると相当ロスがでますので、自身でできるようになるべきところの一つです。

要約

要約

データ解析

データを正しい方法で解析します。目的は研究ですので、研究の結果として客観的で正しい方法で評価する必要があります。また、様々なchecklistやguidelineがありますので、それぞれを理解してどのように結果をまとめるのが考えます。分類タスクならROCからのthretholdを決めて、感度・特異度・精度・陽性適中率・陰性適中率が中心になるでしょう。これらのうちどれかが欠けるべきでないとchecklistに明示されています。基本的に扱う数が多い研究ですから、手で計算するのはほとんど現実的ではないことが多いです。そのため、当研究室ではアルゴリズムの作成からデータ解析までを通してpythonで扱うことを推奨しています(※もちろん、Rでもできます)。

論文作成

大枠はchecklist (STARD, TRIPOD, CLAIMなど)に則って作成していきます。しかし、checklist間で一部に矛盾もありますし、自身の研究に完全にfitするものではないことがほとんどですので、多少のアレンジが必要になります。そのあたりに関しても、実際に医療AI研究の査読を何十本としてきた研究員が指導できることが当研究室の強みの一つです。また、英文に関しても当研究室ではNative Americanのエンジニアが所属していますので、methods内でのAIのモデルの構築や構成などに関しても、正しい英語で表現することが容易に実現できます。